クラウドPBXを利用する際に使用するLANケーブルはどのようなものがよい?
クラウドPBX利用におけるLANケーブル選びの重要性
クラウドPBXでは、音声通信やデータ伝送がインターネットを通じて行われるため、通信品質が通話業務の効率に大きく影響します。適切なLANケーブルを使用することで、以下の2点を実現できるため、LANケーブルも見直してみることをおすすめします。
①通信品質の保証
クラウドPBXでは、音声通信やデータ伝送がインターネットを通じて行われるため、通信品質が業務効率に直接影響します。適切なLANケーブルを使用することで、高速かつ安定した通信が実現し、途切れのないクリアな音声通話や遅延の少ないデータ転送が可能になります。
②ネットワークの信頼性向上
クラウドPBXシステムは、ネットワークの信頼性に大きく依存しています。高品質なLANケーブルの使用により、通信エラーやノイズの影響が最小限に抑えることができ、より安定したネットワーク接続が可能となります。これにより、通話の中断やデータ損失のリスクを減らすことができます。
LANケーブルは「カテゴリ」「形状」「シールドの有無」をチェック!
LANケーブルを選ぶ際は、「カテゴリ(通信規格)」「形状」「シールドの有無」の3点をチェックし、適したものを選ぶとよいでしょう。それぞれ解説します。
1.カテゴリ(通信規格)
LANケーブルの「カテゴリ」とは、通信速度や伝送帯域などの通信規格を示すもので、「CAT8」や「CAT7」などの記号で表記されます。数字が大きいほど、通信速度と伝送帯域が向上し、高速通信に対応します。
現時点で最も高性能な通信に対応するのは、CAT8です。最大通信速度が40Gbps、伝送帯域が2,000MHzと膨大なデータの処理にも対応できるため、快適な通信が可能です。ただし、40Gbps対応機器でないと性能を最大限に発揮できないので注意が必要です。
CAT7は、通信速度10Gbps、伝送帯域600MHzに対応しており、CAT7Aではさらに広い伝送帯域1,000MHzを実現しています。これにより、より高品質な通信環境を求める際に適しています。
CAT6は汎用性が高く、一般家庭で使われることが多いタイプです。通信速度1Gbps、伝送帯域250MHzに対応しており、一般家庭でのクラウドPBX利用では通常は問題なく使えますが、伝送帯域が拡張されたCAT6Aなら、より快適な通信環境が期待できます。
クラウドPBXでの通話トラブルを回避するためには、CAT6以上を選ぶことが望ましいです。それより下のCAT5などはおすすめできません。
2.形状
配線環境に合わせて、適切な形状を選ぶことも重要です。LANケーブルには、スタンダードタイプ、極細タイプ、フラットタイプ、巻き取りタイプなどの形状があります。最も一般的なのは「スタンダードタイプ」で、伝送性能と安定性に優れているため、長距離配線に適しています。スタンダードタイプよりも細い「極細タイプ」は、配線周りをすっきりと保つと同時に、曲げやすい構造なので複雑な配線に適しています。
平たい形状の「フラットタイプ」は、配線時の出っ張りが目立ちにくく、カーペットなどの下に配線する際に便利です。「巻き取りタイプ」は、くるくると巻いて小さくできるので、持ち運びに便利です。ホテルや会議室など、外出先での有線LAN利用時に重宝します。
3.シールドの有無
シールドの有無も確認しておきましょう。LANケーブルには、シールド加工されていないUTPケーブルと、シールド加工されているSTPケーブルがあります。
UTPケーブルとは、シールドで保護されていないLANケーブルです。シールドで保護されていないため、外部ノイズの影響を受けやすいといえます。
STPケーブルは、シールドで保護されたLANケーブルです。UTPケーブルに比べて高額ですが、シールド加工によって外部ノイズが遮断されるため、通信の安定性を確保できます。
しかし、外部からの雑音によりシールド内に蓄積された電気は、追加的な雑音を生じさせる要因となり得るため、STPケーブルを使う際はネットワーク機器にアース処理が必要となります。
テレワークや在宅ワークで家庭用クラウドPBXを導入する場合、UTPケーブルで十分なケースが多いですが、ノイズが気になる環境ではSTPケーブルの使用を検討すると良いでしょう。
一般的な商品として、カテゴリがCAT6、形状がスタンダードタイプ、シールドナなしのUTPのLANケーブルが、多くのメーカーから販売されています。
最適なLANケーブル選びでクラウドPBXのパフォーマンスを最大化
LANケーブルは、クラウドPBXの導入に欠かせない重要なパーツです。通信品質、形状、シールドの有無を踏まえて、最適なものを選ぶことが重要です。これにより、クラウドPBXの性能を最大限に引き出し、快適な通信環境を実現することができます。クラウドPBXの導入を検討している方は、LANケーブル選びの際に、上記の3つの要素を必ず確認しましょう。