クラスAのクラウドPBX

クラウドPBXとSIPの関係性をわかりやすく解説

SIPとはオンライン通話の技術規格

SIPというのは、データをオンライン上で通信させるための技術的な規格のことを指します。特に音声や映像をリアルタイムで双方向通信させるためのもので、インターネットを使った音声通話やビデオ通話の技術のために広く使われています。規格の種類としては、VoIP規格というものの中に入っていて、インターネット上でデータをやり取りするルールの中でも、特に通話技術に関するルールが定められています。
仕組みとしては、まず電話をかけたいユーザーがSIPに通信を開始する要求を出します。すると瞬時にサーバーは相手先が使っているサーバーを検索するため、DNSサーバーに照会します。相手のサーバーが分かったら、そのまま相手ユーザーに通知をして通話を開始するという形です。一見すると複雑な機能ですが、構造自体はシンプルに作られているため、無駄なデータ容量を食わずに高音質を保って通話ができるというメリットを持っています。こうしたことから、多くの通話システムに採用されています。具体的には、LINEやFacebookメッセンジャーなどに使用されていて、まさにオンライン通話の標準的な規格と言えるでしょう。

SIPはクラウドPBXでも使用されている

このようにSIPは、インターネット経由で音声通話もしくはビデオ通話をするために広く使われていて、クラウドPBXでも基本的にこの規格を採用しています。クラウドPBXでは、パソコンやビジネスフォン、スマホなどの端末を使って、インターネット回線を介して通話をします。従来の固定回線とは違うルートとなり、インターネット仕様の音声データのやり取りをする方法が必要となります。そこで使われているのが、SIP規格というわけです。

クラウドPBXでは、通常IP-PBXという構造と、SIPサーバーを組み合わせてサービスを構築しています。IP-PBXというのは、従来のオンプレミス型のPBXをクラウド化させるという目的があるため、それ自体に電話交換の機能が付いています。そのため、このシステムだけでも通常の電話は可能となります。しかし、電話番号情報などの通信ができ、IP電話の管理ができる機能を持つSIPサーバーと組み合わせることで、幅広い電話機能が提供できるようになります。そのため、どのクラウドPBXサービスでもSIPを使って環境構築をしているのです。

こうしたシステムにすることで、スマホを使って社内での内線通話ができるようになります。従来のPBXシステムでは、物理的に電話回線で有線接続されていないと内線はできない状態でした。しかし、クラウド化されているため、オフィスにいなくても無料での内線通話が可能となるのです。さらに、外部から代表番号にかかってきた電話を、スマホでも取れるようになります。担当するスタッフが外出しているとか在宅ワークをしているといった状況でも、着信を逃すことなく対応できますので顧客満足度の向上につながるはずです。

このプロトコルはあくまでもインターネット専用の仕様ですので、今までの固定電話回線で使っていた電話機やその他の機器は使用できません。対応しているビジネスフォンに交換したり、パソコンやスマホには専用アプリをインストールする必要があります。しかし、基本的にインターネットに接続できればどんな環境でも音声通話ができるようになりますので、デバイス以外のPBX専用機器などの装置は不要となります。
また、クラウドPBXの特徴でもありますが、非常にスピーディーにサービスを始められるという利点もあります。物理的な回線工事がいりませんので、プラン契約をして必要なアプリをインストールすれば、すぐに通話できるようになります。同じように、クラウドPBXの機能や設定を変えたい、番号を追加したいといった管理もしやすく、管理者が瞬時に設定ができます。保守管理が非常に楽になり、手間とコストを削減できるのです。さらに、顧客管理データシステムなどの外部システムとの連携も可能となります。着信時に相手の情報を顧客データから自動的に呼び出して、パソコン画面に表示させるといったアクションができます。コールセンターや営業部門などでそのメリットを発揮でき、より緻密な対応をするのに役立つ便利な使い方となります。

クラウドPBXの仕組みを理解して使いこなそう

クラウドPBXをフル活用するためには、SIPなどの基本的な仕組みを理解しておくことが役に立ちします。それにより、このサービスでどんなことができるのかということがはっきりとするからです。ビジネスに役立つ非常に多くの機能があり、これからもサービス開発が進んでいきますので、業務効率化のために使いこなしていきたいものです。


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