クラウドFAXのメリット、デメリット

クラウドPBXとFAX複合機を比較し、それぞれのメリット、デメリットを解説

複合機でFAXを送るメリットとデメリット

多くのオフィスには、コピーやFAX送信をするための複合機が置かれています。最新機種はネット接続ができるものもありますが、全体としては複合機はアナログ回線に接続して通信をする仕様となっています。そのため、複合機でFAXを送る場合には、アナログ電話回線を保有し続けないといけません。
複合機を使用してFAXを送るメリットとしては、複合機の機種選定の幅が広いということです。複合機はコピーや高精度スキャンなど、業務に役立つ機能が充実していますので、できるだけ性能の高いものを選びたいというのが自然な思いです。価格もリーズナブルで個人でも使えるものから、高度で複雑な機能を持つ高価なものまでバリエーションがあります。

また、通信が安定していることや、ネット回線との取り合いに悩まなくて良いというのもメリットです。電話回線は大地震や水害など、よほどの災害にならない限りは通信が遮断されませんので、安心して使い続けられます。また、複合機用にアナログ回線を引いていますので、一般業務で使うネット回線と完全に切り離して使用できます。ネット回線が混雑して通信が不安定になることもありませんし、なんらかのメンテナンスや変更手続きなどによって、FAX通信に支障が出ることもありません。

一方のデメリットとしては、通信コストが高くつくという点が挙げられます。アナログ回線としての基本料に加えて通信枚数に応じた従量課金の通信費用がかかります。デジタル回線に比べて従来の電話回線だと、どうしても単価が高くなりますので、全体としての通信コストも上がってしまうのです。さらに、クラウドPBXに比べると、使える機能が限られるというのもデメリットと言えるでしょう。複合機の場合は、単に文書を送受信するだけとなってしまいます。メールで送受信したり、クラウド上に保存している文書をそのまま送るなどは難しくなります。
最大のデメリットは、原則としてオフィスでしかFAXの送受信ができないという点でしょう。物理的に印刷した文書を読み込んだり、オフィス内で複合機につながっているパソコンから原稿を送るしかできないからです。そのため、なんらかの文書を送りたいと思ったら、オフィスにいないといけないのです。

クラウドPBXを使うメリットとデメリット

クラウドPBXは、インターネット回線を使って電話やFAXを使う仕組みです。電子データでのやり取りで原稿のファックス送受信ができますので、複合機やFAX機器などはなくても利用できます。そのため、オフィスに設置する機器を省略できるというメリットが生まれます。複合機や専用機器を置かない分、スペースも機器購入費やメンテナンス費もかからなくなるのです。そして、ネット回線のみですべての通信作業ができますので、電話回線もなくすことができます。こうした効率化を図ることによって、コスト削減を図れるのも大きな利点と言えるでしょう。固定費や購入費が減ることに加えて、月々のランニングコストも減らせます。同じ文書を送るにしても、アナログ回線で送信するよりも、クラウドPBXの方が通信料が安くなる傾向にあります。そのため、送受信量が多い企業にとっては、大きなメリットを感じられるでしょう。

さらに、利便性が高まるというのもメリットとなります。まず、ネット回線につながっていれば、どこででもサービスを利用できるようになります。たとえば、外出先でもネットワークに入れば、受信したファックスを確認できますし、代表番号への応答も可能となります。お客様や取引先へのレスポンスを早めて顧客満足度を高めるのに役立つわけです。また、オフィスにいわば電話番がいなくても良くなりますので、人員配置を効率化させるという意味でも効果的です。FAXについても外出先から送受信が可能ですし、オンラインストレージやスマホ内に保存した文書ファイルをそのまま送信できるという良さもあります。より簡単かつスピーディーに事務作業を進められるのです。

クラウドPBXのデメリットとしては、ネット回線に依存してしまうという点があります。社内業務システムなどと同じネット回線でクラウドPBXをする場合、通信が遅くなってしまうこともあり、通信品質の低下につながります。また、ネット回線に通信障害があるとクラウドPBXは使えなくなります。こうしたリスクもある程度考えておくべきです。

総合的に判断し導入を検討しよう

複合機とクラウドPBXを比較してみると、コストや利便性などではクラウドPBXの方がメリットが大きいと言えるでしょう。ただし、従来の複合機を業務で頻繁に使用するなどのケースでは、複合機の重要性が高まります。そのため、自社で必要としている環境をじっくりと検討し、総合的に導入を判断することが重要です。


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