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PBXコラム
クラウドPBXとFMCのそれぞれの特徴や違いを解説

クラウドPBXとFMCのそれぞれの特徴や違いを解説

そもそもFMCとは？

FMCとはスマートフォンを内線化することができるサービスのことです。つまりモバイル端末を会社の内線、ビジネスフォンとして利用することができるのです。なお、このFMCとは略称で正式名称は「Fixed Mobile Convergence」、これは「従来の固定電話とモバイル端末を束ねる/集中させる」といった意味です。
このFMCを利用することで、モバイル端末を所有しているスタッフは場所を問わずにオフィスにいるのと同様の電話環境を得ることができます。例えば、外出中のスタッフ宛にオフィスに電話がかかってきたときは、そのスタッフのスマホに取り次ぐことができます。あるいはオフィスに勤務しているスタッフとテレワークのスタッフ同士の連絡もスムーズに行うことができるうえに内線通話の形で無料で通話をすることができるようになります。
現代ビジネスはスピードが勝負と言われます。せっかくよいビジネスのチャンスが訪れたのに、対応できるスタッフに連絡が取れなかったことでそれを逃してしまう、といった問題もFMCなら防ぐことができるわけです。さらに、テレワークのスタッフとの連絡をスムーズに行うようにすることで、職場により多様化した働き方を導入することができるようになるでしょう。ほかにも当然のことながら通信料の節約にも役立ちます。

クラウドPBXとFMCとの違いは？

こうしたFMCのメリットを挙げると、「じゃあクラウドPBXと何が違うんだ？」と疑問に思う方もいるかもしれません。確かに基本的な部分はかなり共通しています。そんな中、違いとしてはクラウドPBXの場合、固定電話を利用して内線・外線・転送機能を使うことができるようになることです。そしてオフィスの電話だけでなく、外の発着信にも対応することができます。FMCの場合、この外線番号の発着信ができないのです。

例えば、企業の代表者の番号に電話がかかってきた際に、クラウドPBXなら社内の各内線にすぐに転送することができます。さらにもうひとつ、違いを挙げるとすると、複数キャリアを利用できるかどうかも挙げられます。FMCでは使用できないのに対してクラウドPBXなら利用可能なのです。
ですから、社内の固定電話やスタッフが使用しているモバイル端末を内線化したうえで、外出先やテレワーク先など場所を問わずに内線化して連絡をスムーズに取り合うことができるという点ではFMCもクラウドPBXも共通しており、両者はよく似たサービスと言えます。ただこれまで挙げてきた違いを見ても、クラウドPBXの方がより幅広いシーンで活用できるメリットを備えていると言えるでしょう。

それぞれに向いているシーンは？

このことから、両者の特徴やメリットを踏まえつつ使用する状況を踏まえながらどちらを選ぶかを検討していくことになります。FMCに向いている状況としてよく挙げられるのが「固定電話を導入していない環境」です。ある程度歴史・伝統のある会社であれば、たいてい固定電話が導入されていますが、ベンチャー企業などでは連絡はもっぱらスマホやメールなどで行い固定電話を導入していない環境もあります。そんな環境ではFMCの方が適しているでしょう。
先程少し触れましたが、FMCは複数のキャリアで利用できるという特徴（デメリット）を持っています。これはそもそも固定電話と携帯電話をひとつにしたうえで通信環境を構築するサービスだからで、当然双方の通信キャリアを統一する必要があるからです。これはなにを意味するのかというと、スタッフが使用するモバイル端末はすべて同じキャリアである必要があるということです。
そのため、原則として会社が業務用のスマホを用意したうえでスタッフに配布することになります。スタッフが個人で利用している私用のスマホを仕事にも使う、というシチュエーションがかなり難しくなってしまうのです。こうした環境を用意できる企業、あるいはもともと用意できている企業の方が適しているでしょう。

もうひとつ、FMCの注意点として踏まえておく必要があるのは、スマホから外線として発信した場合には先方には携帯電話の番号が表示・通知される点です。FMCはあくまで内線通話を対象にしたサービスのため、スマホから外線をかけた場合にはあくまでスマホの番号が表示されるのです。クラウドPBXの場合は外線で利用した場合でも会社の固定電話扱いされることで、スマホで発信しても会社の固定電話の番号を表示させることができます。この点が気になるケースも出てくるはずです。