クラウドPBXのトラブル

クラウドPBXを導入する際に起こりやすいトラブルと回避する方法を解説

導入時におけるクラウドPBXに関するトラブルと対処法

クラウドPBXを導入するにあたっては、従来のPBXから切り替える、もしくは通常の電話回線サービスから新規導入することになります。その際に生じうるトラブルとしては、これまでの電話番号を引き継げないという問題が考えられます。企業にとって代表番号というのは、取引先やお客様との重要なコミュニケーション手段の一つです。電話番号を変えてしまうと、お客様に大きな迷惑をかけてクレームの原因となることもありますし、既存の番号しか知らない人からのコールをなくすという機会損失につながります。

こうしたトラブルは、サービス事業者の選び方によって防止できることがあります。というのも、事業者によっては、そもそも既存の番号を引き継ぐ番号ポータビリティ制度に対応しておらず「050」から始まる市外局番しか提供しないところもあるからです。また、番号ポータビリティができるとしても、「03」や「06」などの大都市の番号のみに対応しているケースもあります。そこで、自分たちが使っている市外局番でも番号ポータビリティ制度を適用できるサービス提供者を探すことが、最も簡単な解決法となります。

コスト削減を一つの目的としていたのに、結局割高になってしまったというトラブルも起こりえます。これは、多くの場合さまざまな機能を追加しているのが原因です。クラウドPBXでは、従来のPBXにはないたくさんの便利機能が設けられています。それ自体は良いことなのですが、せっかく新しいサービスを導入するのだからと、あれもこれもとオプション機能を申し込んでしまうことがあります。そうなると、本来はリーズナブルなはずの基本料金にどんどんプラスされて、今までの通信費用よりも高くなるという事態に陥ります。そのため、本当に必要な機能かどうかを前もって確認しましょう。そして、最初はシンプルなサービスにして、実際に運用を始めてから、これがないと不便という声が出たら付け足していく形にしていくと良いでしょう。

利用時に注意すべきポイントと対処法

実際にクラウドPBXを始めてから、トラブルを抱えることがあります。その代表的なものが、通話品質の低下です。具体的には、音がこもって聞こえる、通話中にブツブツ途切れる、雑音が入る、声が遠いなどの問題が発生することがあります。これは、クラウドPBXは固定電話回線ではなく、インターネット回線を使って通話をしていることに原因があります。通話品質は、ネット回線自体の質に大きく影響されてしまうのです。これは、クラウドPBXのサービスが悪いということではなく、オフィスに入れているネット回線もしくは外で使っているスマホのネット状況が悪いため生じることです。

解決策としては、オフィスの通信環境を改善するのがベストです。ネット事業者に相談して、通信速度の速い上位プランに契約を変更することなどを検討してみましょう。ある程度通信スピードの出る回線環境を構築しているのであれば、社員のネットの使い方についてチェックするのも一つの手です。無駄に動画や重いファイルを送受信する人が多かったり、使ってもいないオンラインサービスを付けたままにしていたりするかもしれません。いずれにしても、現状のインターネット回線の状況と社員の使い方についての調査をして、ネット回線自体の改善を図ってみましょう。

別のトラブルとしては、停電した時に使えないという問題があります。従来の電話回線は、PBXの機能が使えないことはありますが、通話自体は停電時でも可能でした。しかし、クラウドPBXはネット回線を使っての通話ですので、停電してルーターやパソコンなどの電源がなくなると全く使えなくなってしまいます。緊急時にこそ、社員同士やお客様との連絡をしないといけないこともありますので、これは大きな問題となりえる企業もあることでしょう。

こうした事態に備えて、ルーターなどのネット回線を維持するための装置については、非常用電源を備えておくべきです。パソコンについても、少なくても顧客とのコミュニケーションに使うものについては、バッテリー搭載のものに変えた方が良いでしょう。また、クラウドPBXはスマホでも使えますので、オフィスが停電した場合はスマホでの使用をメインに切り替えるなど、事前に対策を周知しておくこともできます。

あらかじめデメリットを知り事前対策を採るべき

クラウドPBXは非常に便利でメリットの大きなシステムですが、導入時や利用時にトラブルが生じる可能性もあります。しかし、こうしたトラブルは事前に想定できますし、対策を取れるものばかりです。そのため、前もってどんな注意点があるのかを確認して、問題を未然に防止できるよう対策を練りましょう。また、担当者や使用する人にきちんとレクチャーしておくことも欠かさないようにしましょう。


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