オープンソース、Asterisk

オープンソース・Asteriskを活用したクラウドPBXについて調べてみた

PBXオープンソースのAsterisk

Asteriskとはオープンソースソフトウェアの一つで、オンラインPBXを構築するためのシステムです。現在ではオンライン通信を構築するためのオープンソースはいくつもありますが、Asteriskは2004年に公開されており、PBX向けとしては最初のもので歴史が長いのが特徴です。
Asteriskは原則として、特定のハードウエアに限定されることなく稼働するのが特徴です。ネット回線に接続できるインターフェイスカード、もしくは最初からネット回線に対応しているデバイスがあれば利用できます。コンパクトなシステム構成となっていますので、大規模なインフラを構築しなくても動かせるのもメリットで、省コストで環境を作れます。また、LinuxやMacOSなどのさまざまなOSにも対応することができ、柔軟性に富んだソフトと言えるでしょう。

こうしたことから、Asteriskを利用してPBXサービスを提供している会社が多く見られます。Asteriskは音声通話のサービスを提供するためのものですが、他のシステムと連携させることで、自動応答や録音、転送などの機能も簡単に追加できます。そのため、Asteriskをメインとして使い、別のシステムを追加していく形で、必要な機能を盛り込んでいくプラットフォームが一般的です。

多様なニーズに応えられるAsterisk

このような特徴を持つAsteriskは、幅広いニーズに応えることができるため、大手クラウドPBX会社でも採用しているケースが多いです。このシステムだと、ユーザーにもメリットがあるため、より使いやすいPBXを求めてAsteriskベースのサービスに切り替える事例も増えています。

その一つのメリットとして、シンプルな通信環境を作れるという点を挙げられます。今までのタイプのオンラインPBXでは、VoIP機器をオフィスに設置することが条件となっていました。しかし、Asteriskを使うことによって、VoIP機器なしであっても直接設定することができるようになります。専用機器をオフィスに送る時間とオフィスで設置する手間がなくなり、申し込みをしてネット上で手続きするだけで、すぐにその場でサービスを開始できるわけです。圧倒的なスピード感でクラウドPBXを始められますので、時間を重視する企業にとっては好都合です。

また、従来のオンラインPBXと比較しても、Asteriskを使ったPBXはコストが安いというメリットもあります。専用機器を購入する必要がなく、オープンソースですので、システム使用料を格段に下げられるからです。

基本となる機能に加えて、業務に必要な機能を追加するのも簡単にできます。いろいろなアプリとの連携がしやすい仕組みなので、異なるサービスを別途申し込まなくても、メインとなるAsteriskに組み込んでいけます。その分、全体としてのコストを下げることも可能となりますし、統合されたシステムでさまざまな作業ができるため、業務効率にもつながります。

Asteriskを使ったクラウドPBXの別の特徴は、異なる回線を混ぜて使えるという点も挙げられます。たとえば、旧来のアナログ回線やISDN回線なども、IP環境に取り込んで使うことが可能です。今までの回線を残しておきたい事情がある場合でも、Asteriskシステムであれば対応できる可能性が高いのです。ただし、提供している会社や現状の回線環境、新たに構築したいシステムの種類などによっては難しいこともありますので、担当者と相談しながら作り上げていきましょう。

複数の回線を取り混ぜた通信環境を持っておくことは、いざという時に役立つこともあります。たとえば、ネット回線事業者の問題でIP回線に支障が出た場合、非常に安定している一般回線に通信を迂回させることができます。あらゆるリスクを想定して、リスク分散をしたいという企業に向いているサービスと言えるでしょう。

別のメリットとしては、利用拡大や縮小もしやすいという点があります。アカウントを追加するのもオンラインで完結しますので、すぐに新入社員分の通信環境を作ったり、期間限定のキャンペーン用窓口を開いたりするのも楽です。もちろん、必要がなくなったら、アカウントの削除や機能停止もほぼリアルタイムで可能となっています。

切り替えメリットが大きいAsteriskのクラウドPBX

Asteriskを使用したクラウドPBXは、アナログPBXを使用している方でも、従来のレガシーPBXを使っている企業でも、切り替えるメリットが大きいサービスです。自社において利用する価値が高いかを確認して、切り替えを検討してみましょう。


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