クラウドPBXの乗り換え

現在の電話番号を引き継いでクラウドPBXに乗り換えることは可能?クラウドPBX会社の乗り換えについても併せて解説

コストダウンや機能強化のためにクラウドPBXに乗り換えたいと思っている企業は少なくありません。しかし、実際の導入をためらう理由として、現在使っている電話番号が変わってしまうのではないかという心配があります。電話番号が変わってしまうと、取引先やお客様とのコミュニケーションが途絶えてしまう可能性があり、企業にとっては大きな打撃です。そこで、電話番号をそのまま引継いでクラウドPBXに移行できるのか、引継ぎはクラウドPBX会社同士の乗り換えでも可能なのかをチェックしてみましょう。

電話番号を継続してクラウドPBX導入は可能

結論から申し上げると、従来の電話回線を用いた環境からクラウドPBXに移行する際、今まで使っていた電話番号を引き継ぐことは可能です。これは番号ポータビリティとか、略してLNPと呼ぶものです。クラウドPBXにすると、NTTが敷設していた物理的な電話回線は使用しなくなりますが、電話番号は新しいサービスに移行できるのです。もちろん、こちらから電話をかける時に、相手にも今まで通りの電話番号が表示されます。

ただし、すべての番号を継続できるわけではありませんので注意が必要です。基本的にはNTTとの契約によって発行された電話番号である必要があります。具体的には、通常の電話用のアナログ回線やISDN回線の番号は移行可能です。ただし、同じNTTでもNTTのインターネットサービスであるフレッツ光に加入した際に発行した番号は、契約内容によっては番号ポータビリティを利用できないことがあります。というのも、フレッツ光のオプションサービスとして、最初からインターネット回線を使った光回線電話番号を発行することがあるからです。従来の電話回線ではなく、インターネット回線専用の番号であるため、契約上はNTTであっても継続できない可能性が出てくるのです。

こうした違いは利用者にとっては分からないこともあります。特に長年同じ電話番号を使っていて、その間にいくつかの事業者のサービスを利用していた場合、いずれかの段階で電話番号の切り替えがなされているケースもあります。そうなると、番号ポータビリティを申し込んでも不可となってしまいます。もし、自分たちが契約している回線はどちらのケースに当てはまるか分からない場合には、「116」つまりNTTのお客様対応窓口に電話して確認すると良いでしょう。

他社からの乗り換えでの番号ポータビリティについて

すでにクラウドPBXを利用していて、別の会社に乗り換えたいというケースでは、多少複雑になります。まず、大前提となるのは上記と同じで、元々の番号がNTTとの契約によって発番された番号であるという点です。最初のクラウドPBXに契約した際に、NTT番号をそのまま生かして番号ポータビリティをしたのであれば、次の乗り換えでも同じ番号を使える可能性が高くなります。基本的にはNTTから発番された番号は、事業者が何回変わってもそのまま有効なものとなり、番号ポータビリティも引き続き行っていくことができます。
一方で、クラウドPBX会社によって発行された「050」から始まる番号や、新たに通常の市外局番から始まる番号を発行してもらった場合は乗り換えの際に変更することになります。たまに、市外局番から始まる電話番号はすべてNTTから発行されたものだから問題ないと考えている方がいますが、別の事業所からの発行もできますので注意が必要です。また、サービス会社によっては、そもそも番号ポータビリティ制度に対応していないところもあります。大手であればほとんどの会社で番号ポータビリティ制度に対応しているのですが、料金の安さを売りにしているとか、外資系のサービス事業者の場合は制度が利用できないケースがあります。

もう一つの注意点は、代表番号はもともとNTTで発行してもらったものの、その他の部署ごとの番号などは後日クラウドPBXサービスから発行してもらっているというケースもあります。他にも、全社的にクラウドPBXに移行したいと思っているものの、本社の代表番号はNTT発番で、他の支社は別の事業者経由で番号を発行してもらっているということも考えられます。その場合は、本社の代表番号は引継ぎが可能であるもの、その他の番号は乗り換えによって変えざるを得ない可能性が高くなりますので、事態が複雑になってしまいます。

状況を整理してから確かめよう

クラウドPBXの乗り換えに伴う番号の引継ぎは基本的に可能です。しかし、NTTから発行してもらった番号であることや、新しいサービスで対応していることなどが条件となります。そのため、現在の番号がどのような形で発行されているかなど、状況を整理してから導入を検討しているサービスに相談してみましょう。


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