地方自治体でもクラウドPBXの導入が進んでいる?自治体が導入するメリットを解説
クラウドPBXは企業だけでなく地方自治体とも相性が良く、様々なメリットをもたらします。そのため、全国各地の庁舎において従来のオンプレミスタイプのPBXに変えて、クラウドPBXを導入するケースが増えています。その導入事例と共に、地方自治体が導入するメリットとしてどんなものがあるのかをチェックしてみましょう。
地方自治体がクラウドPBXを導入した事例
地方自治体がクラウドPBXを導入した事例としては、南会津町がNTTコミュニケーションによって運用されているサービスに切り替えたものを挙げることができます。すでに庁舎の建物が老朽化していましたので、物理的な装置に依存するオンプレミス型のPBXについても刷新する必要がありました。また、東日本大震災を経験して、災害に強い通信環境を整えるということも重要な課題となっていました。そこで、新庁舎の建設を機にクラウドPBXに切り替えたのです。
システムの切り替えは上記のようにいくつかの理由が関係しているのですが、特に東日本大震災によるPBXシステムのダウンは大きな影響を与えました。地方自治体は災害の状況を把握したり、関係各所と連絡を取ること、職員に指示を出したりするために電話はどうしても欠かせないインフラです。しかし、地震や水害などによって、建物内部に設置してあるPBX装置が破損したり、ケーブルが破断したりすると全く機能しなくなってしまいます。また、その復旧にも相当な時間がかかります。そこで、建物内にはサーバーやPBX装置を置かなくても済むシステム、万が一ダウンしても復旧しやすい構造を持つクラウドPBXを検討するようになったのです。
その結果、NTTコミュニケーションと打ち合わせを重ねて、今まで必要としていたサービスを減らすことなく継続し、なおかつさらなる便利なサービスを追加したクラウドPBXを導入することになりました。それによって、様々な効果を生み出すことができています。たとえば、職員がスマホを使って内線電話等に対応できることになったため、固定電話の台数を減らせました。さらに、外出先でも庁舎内にいるのと同じ感覚で電話を受けたり、逆に発信ができたりすることで業務効率化を図ることができています。
地方自治体がクラウドPBXを導入するメリット
地方自治体がクラウドPBXを導入するメリットとしては、まずコスト削減を挙げることができます。従来の電話網を使った通信よりも格段に通信料が下がります。どの地方自治体でも、本庁舎だけでなく分庁舎や交流館などたくさんの施設を持っているものです。こうした拠点ですべて同じシステムにすることで、内線化を図ることができ全体として大きなコストダウンにつながります。異なる施設間で行うテレビ会議システムなども、同じシステムを通じて環境構築できることが多いので、利便性が増すというメリットもあります。
コストダウンはこれだけではありません。自治体の庁舎はオフィスレイアウトが変わることも多く、オンプレミス型だとその度に装置の移動や配線変更をしないといけません。その工事費用も無視できないものがありますが、クラウドPBXになればWEB上で設定するだけで終わります。そのため、運用費用も大きく削減できるのです。さらに、上記の事例にあるように、オフィス内に設置する固定電話の数を減らせますので、機器類にかけるコストもさがります。こうしたことから、総合的に考えて相当なコストダウンを目指せるのがメリットとなります。
他のメリットとしては、やはり災害に強いという点が地方自治体にとっては重要なところです。クラウドPBXであれば、少なくてもネット環境を維持することができれば電話機能を継続することができます。また、電話帳を含めてコミュニケーションに必要なデータもクラウド上に保存できますので、様々な不測の事態に対応できるという良さもあります。
さらに、庁舎内のスペースの確保というのもポイントです。オンプレミス型のPBXだと専用装置を設置しないといけません。装置自体は非常に大きなものではありませんが、保安上の理由からも閉鎖されたスペースにおく必要があります。しかし、クラウドPBXにすればこうした装置は不要となり、スペースが空きます。庁舎をより有効に活用できますので、省スペースを考えている自治体には朗報です。
地方自治体と相性の良いクラウドPBX
クラウドPBXは幅広い利用法がありますが、特に地方自治体との相性が良いです。市民とのコミュニケーションのために電話をかける機会も多いですし、常に関係各所との連絡をしなくてはなります。こうした通信費用を削減するのに大きな助けとなります。また、災害に強いというのも見逃せないポイントです。メリットの大きなクラウドPBXを導入できないか真剣に検討してみる価値が十分にあると言えるでしょう。