災害に強いクラウドPBX

クラウドPBXは災害時にも強い?災害が起きたときのクラウドPBXの活用方法

クラウドPBXを導入する理由には様々なものがあります。スマホの内線電話化やコストカットなどが主なものですが、災害時にも使えるということで危機管理対策という目的で導入する企業も少なくありません。どうしてこのシステムが災害に強いと言われているのか、従来のシステムとはどんな点で違うのかをチェックしてみましょう。また、実際に災害が起こった時、どんな点に注意すべきかも合わせて解説します。

本当にクラウドPBXは災害時に強いのか?

結論から申し上げると、クラウドPBXは災害時にも強く、継続して通話ができる可能性が限りなく高いと言えます。その理由はいくつかありますが、まずこのシステムでは、従来の電話回線や携帯電話網ではなく、インターネット回線を使用して通話します。災害時には、多くの人が固定電話や携帯電話をかけますので、どうしても回線が混雑してつながりにくくなります。また、電話線が切れてしまう可能性もあります。その点、インターネット回線は混雑が起こりにくく、遮断しづらいというメリットがあります。実際に地震などの被害が発生している地域でも、固定電話はつながらないもののネット回線を使った通話はできたという事例は数多くあります。
もう一つの理由は、クラウドPBXだとPBXの主装置が基本必要ないため、会社のオフィスが被害を受けても問題が生じにくいという点です。物理的な専用機器を設置していた従来のPBXだと、それが壊れると回線がつながらなくなります。しかし、クラウド上に仮想PBXがあるこのシステムでは、サービス提供会社がダウンしない限りはサービスが継続されるのです。オフィスが使えない状況になっても、社員がそれぞれ持っている端末があれば、そこからシステムに接続して通話ができるというわけです。
そして、クラウドPBXでは通話端末を多くの人が持っているというのも、リスクを分散する助けとなります。ある社員の端末が駄目になって使えないとしても、別の場所にいる社員の端末が無事である可能性は高いはずです。どの端末でも代表番号で受信したり発信したりできますので、誰かの端末が無事であればとりあえず継続して対応可能なのです。また、停電にも強いという特性を持っています。
従来のPBXの場合、オフィスが停電してしまうと主装置の電源がなくなり使えなくなってしまいます。大きな被害がなくても停電だけでもストップしてしまうのが、従来のシステムの弱いところでした。しかし、クラウドPBXであれば、インターネット上に仮想PBXを持っていますので、オフィスが完全に停電しても問題ありません。それぞれのスマホやタブレットなどのバッテリーがある限りは、そのまま使い続けられるのです。

災害時における注意点も解説

このように、クラウドPBXは災害時にも強いのですが、当然万全なシステムというわけではありません。まず、上記のようにオフィスが停電しても使えるのですが、スマホなどの端末のバッテリーがなくなれば使えなくなってしまいます。そのため、災害時に備えてモバイルバッテリーを用意しておくなど、端末の電源確保の手段を考えておく必要があります。
もう一つは、サービス提供会社に被害が生じると、システム自体が落ちてしまうという問題もあります。大手であればどの会社でも、データセンターを災害に強い設備にしていたり、拠点を複数に分散させ、被害が発生しても他の拠点でバックアップできるようにしていたりします。そのため、よほどのことがない限りシステム自体が落ちるということはありませんが、100パーセントとは言えません。そのため、サービスを選ぶ際には、こうした災害時の対応をよく考え、二重三重の対策を講じているかどうかもチェックして安心できる会社を選びましょう。
このサービスを選ぶ際に気を付けたいのが、PBXシステムの違いです。クラウドPBXには、主にオンプレミスタイプとフルクラウドタイプの2つがあります。オンプレミス型というのは、オフィスに主装置を設置して通信環境を構築するスタイルです。もともとPBX装置がある場合などにこのスタイルを選択するオフィスもあります。しかし、オンプレミス型だと、クラウドPBXにしても装置頼みの環境構築となってしまいます。オフィスが停電すると装置が動かなくなりシステム全体がダウンするのです。そのため、災害時には弱いです。災害対応ということを考えると、フルクラウド型が良いでしょう。主装置をおく必要がなく、インターネット回線さえあればすべての機能を使えます。また、ネットに接続しさえすれば良いので、場所の制限がなくなりどこででも通話ができます。

このように、全体としてはクラウドPBXは災害に強いというメリットを持っているものの、やはり十分な備えをしていないとそのメリットが薄れてしまいます。また、会社やサービスの種類も選んで導入することが大切です。


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