クラウドPBXはナースコールにも？クラウドPBXを活用した様々な事例を紹介
クラウドPBXは幅広い業界で導入されるようになっていますが、医療機関にも普及し始めています。病院には他の施設やオフィスにはない特性と課題がありますが、その問題を解決してくれる手段の一つとして、クラウドタイプのPBXがあります。具体的にどんな課題と、どんな導入によるメリットがあるのか解説していきます。特にナースコールにこのシステムを使うことの利点を知ると、導入に前向きになれるのではないでしょうか。
病院における通信環境の課題
病院は固定電話やPHSを使用して院外との連絡を取ったり、内部で職員が通話をしていることが多いです。しかし、こうした通信環境にはいくつもの課題があり、改善してほしいという現場の声が上がっているところもあります。たとえば、職員が内部で使っているPHSだと外部への通話ができないので、電話を2台持ち歩かないといけないので面倒であるといった点や、地下やエレベーターなどに行くと通話が途切れてしまうことがあるといった点です。また、電話システムと患者情報、電子カルテなどが連動していないため、通話でしか使えないという点で使い方が制限されてしまいます。このシステムの連動という面では、一般の通話とナースコールは完全に別のものとなっているため、連動できていないところがほとんどです。
さらに、規模が小さな病院だと、診療時間外はスタッフが電話対応できないことが多くなるという課題もあります。特に急患が生じた際に、オフィススペースにいないと電話に出られず、結果的に対応が遅れてしまうというケースも見られます。
ナースコールのクラウドPBX利用は便利で安全！
こうした課題の中でも、クラウドPBXを導入することで解決できるものが多くあります。たとえば、ナースコールと電話システムとの連動です。クラウドPBXにすることによって、院内設備の通話関連のサービスをすべてPBXにまとめることができます。そのため、ナースコールがかかってきた時に、職員が持っている携帯デバイスから出られるようになります。ナースセンターに誰もいない状況であっても、また歩きながらでも対応できるため、対応スピードがぐっと上がるというメリットが生まれます。従来のシステムだと、ナースセンターでナースコールを受けてから、患者さんの部屋に行く間は通話が切れてしまいます。しかし、クラウドPBXを導入すれば、通話をしながら部屋まで行けますので、より情報を集めやすいというのも利点でしょう。
さらに、ナースコールにもクラウドシステムの便利な機能を使えるようになります。たとえば、通話の録音機能です。患者さんの話したことなどをすべて録音、保存できますので、後に検証をしたり確認を取ったりすることができるのです。同じように転送機能を使うことも可能です。コールが生じた場合は、1つの指定した番号に集約して接続されるのですが、もしその番号に誰も出られない時に、他の番号に転送できます。こうすることで、必ず誰かがコンタクトを取って漏れのない対応ができるようになります。また、コールを気にするあまり、決まった場所に居続けないといけないといった状況も起きなくなりますので、より機動的にスタッフが動けるのもメリットです。
病院でクラウドPBXを導入する様々なメリット
こうしたクラウドPBXを導入するメリットは、ナースコールだけでなく様々な面でも感じられるでしょう。たとえば、内線通話も院外への連絡も一つのデバイスでできるようになります。スタッフにスマホを一つ提供するだけで良いので、身軽になれるのはうれしいところです。また、クラウドPBXだと音声通話だけでなく、チャットやファイル共有なども簡単にできる機能が使えます。ちょっとした連絡をメッセージで送ることができますし、患者さんの情報ファイルをすぐに共有できることになります。連絡した相手が忙しい状況でも、データやメッセージを送っておけば良いので、より時間を有効活用できるのです。
それだけでなく、他の業務システムとの連動がしやすくなるのもクラウドPBXの良いところです。たとえば、電子カルテや患者さんの情報を、手持ちの端末から確認できるようになります。診察室にあるパソコンに行かなくても即座にチェックできますし、入院棟で患者さんのチェックをした後にその場ですぐに記録ができるといった便利さもあります。これは外部業者についても同じで、医薬品メーカーの営業担当や近隣病院のスタッフと話したい時に、すぐにクラウド上にある電話帳などから連絡先を見つけてコールすることができます。このように、全体としてコミュニケーションが活発化されますので、スタッフ同士の情報共有がしやすくなり、より働きやすい環境になっていくというメリットを味わえるのです。
このように、病院でクラウドPBXを導入するメリットは非常に大きいです。病院の規模にもよりますが、思ったよりも安く済むことも多いようなので、気になる場合はまず各サービスへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
