クラウド型とオンプレミス型のPBXを徹底比較！メリット、デメリットを中心に調査してみた
そもそもPBXとは？
PBXとは「構内交換機（Private Branch eXchanger）」のことで、もともとは社内での電話交換のために使用される設備です。この設備によって、社内に引かれた複数の電話回線を集約して使用できるようになります。例えば、外線でオフィスに電話がかかってきたときには、まずこのpbxに接続してから、対応できる部署の回線につなげることができるわけです。内線同士の接続も可能です。
pbxそのものは以前から多くの会社、オフィスで導入されており、従来型のタイプを「オンプレミスPBX」と呼んでいます。それに対し、新しいタイプを「クラウドPBX」と呼んでいます。企業でIT化、クラウド化が進んでいる中、クラウドPBXへの関心が集まっており、両者のメリット・デメリットを比較する機会が増えているのです。これからクラウドPBXの導入を検討している企業は、オンプレミスPBXと比較して、どんなメリットが得られるのかをよく踏まえたうえで判断する必要が出てきます。
オンプレミスPBXとは？
繰り返しにはなりますが、オンプレミスPBXとは、社内に装置を設置して、オフィス内の電話機を接続することで使用するPBXのことです。そのため、自前で設備を用意する必要があります。最大のメリットとして挙げられるのが、セキュリティの高さです。後述するように、IT網を使用するクラウドPBXはセキュリティを破られると情報が筒抜けになり、漏洩してしまうリスクが生じますが、自前で装置を用意するオンプレミスPBXの場合はセキュリティが非常に強固で、安心して利用することができます。そのため、顧客の個人情報の管理が重視される業界などでは、現在でもこちらが主流となっています。
もうひとつのメリットは、カスタマイズ性に優れていることです。自前で装置を用意し、システムを構築する形になるため、予算やスペースが許す限りでさまざまなカスタマイズができます。そこには、他のシステム、顧客管理システムなどと連携させる際に、スムーズに行えるといったメリットも含まれます。
一方、デメリットはどうしても導入費用が高くなることと、システム・装置の保守・管理が必要になることです。ハード面・ソフト面の導入費用が高くなるのはもちろん、メンテナンスや管理のための人件費も必要になります。保守管理を外部に委託する場合には、その費用も必要になるでしょう。さらに、これはクラウドPBXとの大きな違いになりますが、電話回線を必要な分だけ開設・増設する必要があり、その工事の負担もデメリットとして数えられます。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXはオンライン上にPBXの環境を構築する形になるため、装置やシステムを導入する必要がありません。このサービスを提供している事業者と契約するだけで、すぐに導入・仕様が可能になります。その分スピーディーな導入が可能になるだけでなく、初期費用も安く抑えることができます。
料金は事業者に対して支払うサービス利用料となるため、装置・システムの運用・管理にランニングコストがかかることもありません。オンプレミスPBXと比較して、導入・運用ともにコストを大きく抑えられるメリットがあるわけです。
さらに大きいのは、インターネット回線を使用することで、スマホやパソコンを使ってコミュニケーションを取ることができる点です。例えば、テレワークやリモートワークの構築にも役立ちますし、オフィスにかかってきた電話を外出中の従業員のスマホに転送する、といったことも可能です。社内だけに限らず、社内のPBX環境に参加している端末すべてと、場所を問わずに連絡できる環境になるわけです。
パソコンでも連絡が可能な点も見逃せないでしょう。幅広い勤務環境を用意しつつ、社内全体のオフィスを効率化できる点で、現代のビジネスシーンの需要に合ったメリットを備えていると評価できます。
こうしたメリットに対して、デメリットとしては、事業者が提供しているサービスの内容の範囲内で利用する形になるため、自社にふさわしい環境にカスタマイズするのが難しいこと、そして先程少し触れたように、セキュリティの問題が少々つきまとうことが挙げられます。また、通信環境の状況によって、通話のしやすさ、聞き取りやすさが左右される面もあります。
自社の求めるPBX環境を確認したうえでサービスを比較しよう
クラウドPBXとオンプレミスのメリット・デメリットを見てみると、両者は正反対の内容を備えていると見ることができます。どちらがよいかではなく、どちらが自社に向いているかが比較・評価のポイントとなるでしょう。セキュリティやカスタマイズ性を重視するか、費用の安さや柔軟性に富んだ使用環境を重視するか、自分たちが必要とするPBX環境を検討し、把握したうえで、適したほうを選ぶ姿勢が求められと言えるでしょう。
