通信内容は守られるの？クラウドPBXのセキュリティリスクを理解しよう
クラウドPBXはとても便利なサービスですし、既存のアナログ回線に比べるとコストカットを大幅に行えるのが魅力です。しかし、今までにはないセキュリティリスクが存在するのではないか、と心配する人もいます。実際のところ、クラウドPBXを導入することで、どんなリスクが起こりえるのかを知っておくことは大切です。それにより、実際的な対策をした上での導入を検討することができるからです。
クラウドPBXに存在するセキュリティリスクはいくつかある
従来の通信環境にはないセキュリティリスクがクラウドPBXにはいくつか存在するのは事実です。というのも、このシステムではオンライン上でたくさんのデータを保管するため、第一に流出する危険性が伴うからです。まず、クラウドサービスであるという特性上、利用者のIDやパスワードが漏えいすると、それを使って他のスマホなどからデータを盗み見できる可能性があります。パソコンやスマホで、内線通信や外部からのコールに出られるという機能はとても便利で使い勝手が良いです。しかし、気軽に使えるからこそ、パスワードを知られるだけで、第三者に不正使用されてしまう可能性も高まります。
また、クラウドPBXではウェブ上でアドレス帳を共有するなどのサービスも付帯していることが多いです。やはり、こうしたデータもIDとパスワードがあれば、誰でも閲覧できるというセキュリティリスクがあります。そこに顧客データなどがあると、大きなトラブルに発展しかねません。
もう一つは、サービス会社に生じ得るセキュリティリスクです。通常、このシステムではサービス会社が保守管理をしているクラウド上に、すべてのプログラムとデータが保管されています。そのおかげで、利用者は膨大なデータを自分たちで管理をしなくて良いというメリットがあります。しかし、サイバー攻撃などによって、サービス会社自体に不正アクセスが生じると、大きなセキュリティリスクが生じるわけです。自社内の連絡先や共有していたデータを始めとして、重要な顧客情報の漏えいが起こりえます。また、サービス自体が停止してしまう恐れもあります。滅多にあることではありませんが、リスクの一つとして思いに留めておくべきではあります。
利用者のちょっとしたミスでセキュリティリスクが生じることも
クラウドPBXを利用している社員が、「スマホを紛失した…」「スマホを盗まれた…」といった状況になると、その端末を使って不正使用や情報漏えいが起こりえます。移動中の電車やタクシーの中に置き忘れたとか、休憩のために立ち寄った飲食店に忘れたといった、ちょっとしたミスで大きなトラブルを引き起こす可能性もあるわけです。また、スマホを盗んだり、人がいるそばでスマホのパスワードを入力して、それを第三者に見られてなりすまし被害に遭ったりすることも十分考えられます。これは、クラウドPBXだけのことではなく、スマホ利用全般におけるセキュリティリスクとも言えますが、可能性の高い問題ですので意識しておくべきです。
特にセキュリティリスクの場合は、オフィスにある固定電話だけでなく、スマホでも代表電話や内線通話に出られるという機能がネックです。それ自体は、このシステムの大きなメリットで魅力的なことなのですが、逆にリスクともなりえるのです。社員が気軽な気持ちで大事な情報が入ったスマホを持ち歩くことで、思わぬトラブルを引き起こすということも考えておきましょう。
こうした問題を避けるためにも、導入に当たっては利用者のリテラシー教育が不可欠です。不用意に人の前でスマホのパスワードを入力したり、分かりやすいものにしておかないといった基本的な事項を教えるのはもちろん、紛失や盗難被害に遭わないように、ストラップを付けるとか、出入りの度に持っていることを確認するといったアナログ的な対策も求められます。
そして、導入を検討するに当たっては、セキュリティー対策がしっかりとしている会社を選ぶことも重要です。サイバー攻撃への備えは確実に行っているか、スマホ紛失などが起きた場合、速やかに該当するIDをロックするといった措置をしてくれるかという点を見て考えましょう。その上で、サポート体制が手厚く、即座の対応をしてくれる会社かを見るようにします。
会社選びと社内教育をすることで最大限リスクを減らそう
クラウドPBXは利便性の高いサービスですが、その反面でサイバーセキュリティに気を使う必要があります。企業として重要なインフラであり、大事な情報が保管されているツールですので、安全面をしっかりと考慮した上で、導入、利用をしなくてはなりません。そのためには、まず安全な対策を施している会社を選ぶことが何よりも大事です。そして、実際に利用する社員一人一人を教育し、リスクを高めるような行動を避けるようにしましょう。
