クラウドPBXは自作できる？自作する上で必要な物やサービスについて解説
クラウドPBXの自作は可能か？
クラウドPBXとは、インターネットを介して、オフィス電話を利用するためのサービスです。このため、クラウドPBXのシステムそのものを自作するには、インターネットサーバーなどのインフラ施設に加え、仮想化技術、ネットワークシステム設計技術、VoIP技術など、非常に専門的な技術と知識が必要となります。一般的な企業や個人がクラウドPBXを自作するのは困難です。
ただし、各メーカーが提供しているクラウドPBXと契約した後、内線電話などのPBX機能を使用するための環境の構築を自力で行うことは十分に可能です。
従来のPBXは電話回線を使用するため、主装置の設置や配線工事が必要でした。このため、専門の業者がオフィスに訪れて、工事を行うのが一般的でした。それによって工事費用などの導入コストがかかりますし、導入後も故障などのトラブルが発生するたびに専門業者による修理が必要でした。
しかし、クラウドPBXは電話回線を使用せずインターネット回線を利用するビジネス電話です。これまでは物理的に設置していた主装置は、クラウド上の仮想空間に設置されるため、配線工事などが不要です。インターネットに接続できる環境があれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどからビジネス電話が利用できます。
クラウドPBX導入に必要な物やサービス
クラウドPBXは従来のビジネスフォンとは異なり、PBXの設置工事やビジネスフォンの購入は不要です。クラウドPBXを構築するために必要なものは、以下の4点です。
1.クラウドPBXメーカーとの契約
まず行うことは、適切なサービスを選択し、契約を申し込むことです。クラウドPBXメーカーを選ぶ際には、次の6点を重視しましょう。
1.現在の電話番号を続けて利用できること
2.手厚いサポートシステム
3.妥当な料金システム
4.妥当な初期導入コスト
5.音声通話の品質（実際に利用して音質を試せるトライアルの有無）
6.標準で使える機能は何か（無料オプションの有無）
特に音質と月額料金は重要なポイントなので、しっかりと確認しておきましょう。メーカー選びを失敗すると、音質が悪い、通話が不安定になる、トラブル発生時にサポートが受けられないなどのリスクがあります。
2.インターネット環境
クラウドPBXの利用には、インターネット環境が必要です。光回線やWi-Fi、携帯通信など、さまざまなインターネット環境に対応しています。現在光回線を利用している場合は環境が整っているため、すぐにクラウドPBXを導入できます。
3.スマホやパソコンなどの端末機器
クラウドPBXは、電話回線を利用しないため、電話機は不要です。「BYOD（個人のデバイスをビジネスに利用すること）」に対応しているため、従業員の個人端末を活用できます。これにより、端末購入費用を抑えることができ、従業員はスマホを2台持ちする必要がありません。使い慣れたスマホを利用することで、業務効率の向上も期待できます。
クラウドPBXは、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、さまざまな端末に対応しています。しかし、端末の種類や機能によって、利用できる機能や操作性が異なる場合がある点に注意しましょう。クラウドPBXは、メーカーと契約した上で、端末にアプリをインストールし、インターネットに接続することで利用できます。アプリの設定は通常、導入時にサービス業者が行ってくれるので、スムーズに使い始めることができます。クラウドPBXを使えば、アプリをインストールするだけで、従業員のスマホを内線化できます。
上記の物やサービスがあれば、クラウドPBXが簡単に導入できます。つまり、自作に近い形でビジネスフォンの導入が可能です。
しかし、現在の電話番号を継続して利用する場合は、専門的な工事が必要になる場合があります。なぜなら、電話回線とインターネット回線を中継するVoIPゲートウェイと呼ばれる装置が必要になるためです。
クラウドPBX導入の際には、VoIPゲートウェイを利用した既存回線の取り扱いや、自社に最適なネットワーク構築手段、他の通信サービスとの比較など、さまざまな検討要件を考慮する必要があります。これらの疑問に対しても、適切なアドバイスを提供してくれるメーカーを選ぶことも、導入を成功させるカギとなるでしょう。
工事不要で自力で導入可能なクラウドPBX
クラウドPBXは自作とはいかないまでも、工事不要で導入が可能です（電話番号を継続利用する場合は工事が必要）。工事費や故障時の修理費などのコストを削減できるというメリットの他、インターネット回線を介して利用できるため、オフィスの規模や利用場所にかかわらず、導入しやすいのも特徴です。
