クラウドpbxの普及率は実際どれくらい?市場動向やシェアについて調べてみた
クラウドpbxの普及率は上昇傾向にある
2020年の統計によると、オフィスにおけるクラウドpbxの普及率は5%程度だとされています。全体としてこの普及率は小さいように見えますが、着実に上昇していることが過去の状況から分かります。過去10年間の状況を見ると、2011年頃ではたった1%程度の普及率しかありませんでした。しかし、その後サービスの質が向上し、たくさんの会社からクラウドpbxサービスが提供されるようになったことで、普及率が上がってきているのです。
それでもまだ全体からすると、クラウドPBXは少数派と言えるでしょう。その理由としては、やはり認知度の不足が大きな要因となっています。従来のPBXとは何が違うのか、どんなメリットがあるのかがわからない企業担当者が多いのです。また、今までの体制とは違うシステムを入れて大丈夫かという不安感も、導入に踏み切れない原因となっています。オフィスの電話は業務を支える重要な設備ですので、違うものに切り替えて、不具合があったら困るという意識が強いのも一因でしょう。また、サービスを切り替えると番号が変わってしまうのではないかという心配をしている企業も多く見られます。会社の代表番号が変わると、取引先や顧客からの問い合わせが減ってしまったり、相手に迷惑をかけたり、といったトラブルにつながるのではと考えるのです。
しかし、クラウドpbxは従来の専用設備を置くタイプのPBXよりもずっと、料金面や機能面においてメリットが大きいと言えます。大手企業によるサービス展開も盛んになっていますので、信頼できる業者と契約できるという安心感も持てます。さらに、インターネット上でもクラウドPBXに関する情報がたくさん出てきているので、すぐに知りたいことをチェックできるようになっています。従来のPBXと変わらない環境で利用でき、番号も引き継げるということで、特に懸念材料がないことに気づいた企業が導入を続々と決めていると言った感じでしょう。
クラウドpbxの上昇傾向はさらに続く!
普及率は徐々に上がってきていますが、この傾向は今後、さらに加速すると考えられます。というのも、サービス展開が小さな規模でもなされるようになっているからです。昔は従業員が50名以上などの大きなオフィスに採用されていることが多く、数名程度の小規模オフィスではほとんど見られないサービスでした。しかし、今では小規模なクラウドpbx導入が可能となっていますし、意思決定の早い小さな会社の方が積極的に採用するケースが増えています。こうしたことから、中小規模の企業における普及率が高まってきていて、全体を底上げする状況となっています。
また、オフィス環境のICT化が急速に進んでいることも、将来的にさらに普及が進むことを示しています。企業の中で効率的なコミュニケーションが取れるように、チャットツールや専用アプリ、SNSを利用するケースが増えています。それにはクラウドを使ったファイル共有や通信サービスも含まれます。それに伴い、クラウドpbxへの抵抗や不安感もなくなっていくことが考えられますので、なんとなく従来のPBXから変更するのは心配していたところでも、躊躇なく切り替えが進んでいるのです。
他の通信ツールやアプリの成長の影響も考慮すべきです。たとえば、小さな企業であっても、LINEなどのツールを使って顧客とのコミュニケーションを取ることが多くなっています。こうしたツールの特徴は、コストが非常に安くて済み、便利な機能があること、そしてすぐに導入できる手軽さにあります。同じような特徴とメリットを持っているのが、クラウドpbxです。コストを新しいツールやシステムによって下げられることを実感する企業が多くなり、新しいサービスを導入するだけでなく、今まで使っていたものを置き換えるという動きを見せることになります。こうしたことから、クラウドPBXは少数派から、メジャーなオフィスツールとして採用されることが多くなっています。
もう一つ考えたい要素は5Gの普及です。5Gによって、スマホの通信環境は飛躍的に進歩します。それに伴い、スマホを内線化できるクラウドpbxのメリットはより高まりますし、通信の安定性も上昇します。品質向上はさらなる利用者増を生み、将来的に普及率が加速する後押しとなることでしょう。
正しく情報を得て導入を検討しよう
クラウドpbxは、コスト面や利便性などの点でメリットがとても大きいですが、普及率が思ったほど少ないのは、質が悪いのではなく、認知度の低さが主な原因です。しっかりと正しい情報を集めて、自社にとってベストな選択は何かを考えましょう。それにより、業務効率化とコストダウンを図れるクラウドPBXの導入に前向きになれるのではないでしょうか。