クラウドPBXとビジネスフォンの違いは?メリットやデメリットを中心に比較してみた
ビジネスフォンと比較してクラウドPBXはメリットが多い!
クラウドPBXとは、電話交換機の機能を設置されている電話機ではなくクラウド上のソフトウェアを介して行うサービスです。ビジネスフォンとして機能するだけでなく、ネットに接続できる環境にあれば、固定電話はもちろんのこと、スマホなどへの転送も可能です。
クラウドPBXのメリットは、たくさんあります。
1つ目のメリットは、初期費用がかからないという点です。従来のPBXシステムは、業者を入れての大掛かりな工事が必要となり、費用面でも作業面でも負担が大きくなってしまいます。しかしクラウドPBXなら、特別な工事は一切必要なく、現在使っているネットに接続している電話機をそのまま活用できるというメリットがあります。初期費用をかけずに内線機能を使いたい場合には、ビジネスフォンよりもクラウドPBXがおすすめです。
2つ目のメリットは、在宅ワークやテレワークとの相性が良いという点です。スマホへも転送できるので、職場にかかってきた電話を在宅ワーク中の人へ転送することも問題ありません。スタッフの個人的な電話番号を取引先へ知らせることなく、必要な人へ速やかに電話を転送できることは、クラウドPBXの大きなメリットです。ビジネスフォンの場合には、取引先からの電話を社外へ転送できないため、折り返しの連絡とするなど、利便性にかけます。この点を比較しても、クラウドPBXはメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。
3つ目のメリットは、設定の変更が簡単という点です。ニーズに応じてルーティングをフレキシブルに変更できるため、自宅やスマホの電話番号が変わったり、担当者が変更になった場合などでも、速やかに対応ができます。ビジネスフォンも設定を変更することは可能ですが、作業が面倒なケースは多いものです。しかしクラウドPBXなら、ネット上で簡単に設定の変更ができます。
4つ目のメリットは、スマホを固定電話として使えるという点です。スマホからの発着信でも、会社の03番号を使えるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。ビジネスフォンの場合には、スマホからの発着信は、相手先へスマホの番号が表示されてしまいます。個人情報の保護という点においても、クラウドPBXはメリットがあります。
このようにビジネスフォンと比較してもクラウドPBXが圧倒的に優位なのはご理解いただけるのではないでしょうか。
逆にクラウドPBXにもデメリットはある
ビジネスフォンと比較してメリットがたくさんあるクラウドPBXですが、導入の際にはデメリットについても理解しておきましょう。
クラウドPBXが持つ1つ目のデメリットは、月額制のサービスなので、利用料金が毎月かかるという点です。しかしこれはビジネスフォンも同じです。ビジネスフォンの場合には、リース料金や保守点検費用などが掛かるため、場合によってはクラウドPBXよりも毎月の支払料金が高くなってしまう可能性もあるでしょう。
2つ目のデメリットは、ナンバーポータビリティで既存の電話番号を引き継げない可能性があるという点です。事前にチェックしておけば回避できるトラブルですが、そうした事前準備をしなければ、クラウドPBXを導入したことで電話番号が変わってしまうという事態が起こりかねません。
3つ目のデメリットは、構内放送やナースコール的な社内連絡が難しいという点です。クラウドPBXは、電話を転送する点においてはとても優秀ですし、高い汎用性とフレキシブル性が期待できます。しかし、拠点内や構内において電話以外の設備とリンクすることが難しいケースが多いです。もちろん、サービスを選んだり有料オプションをつければ、このデメリットを克服することは可能です。
4つ目のデメリットは、ネット環境に依存しているという点です。ビジネスフォンと比較すると、ビジネスフォンはインターネットがダウンしていても、電話回線は通じるので外部との連絡は可能です。しかしクラウドPBXの場合には、ネット環境が大前提となるため、ネットに接続できない状況では使うことができません。
5つ目のデメリットは、110番や119番のような緊急通報が使えないというものです。これはネット環境に依存しているため、発信者の位置情報を確認できないという理由です。ビジネスフォンと比較した場合、ビジネスフォンは固定電話なので受話器を取って110番や119番をダイヤルすれば、直接緊急通報へつながりますが、クラウドPBXの場合には別途で最寄りの警察署や消防署へ電話番号を入力して連絡する必要があります。この対策法としては、事前にスマホに緊急通報の代わりとなる電話番号を登録しておくという方法がおすすめです。
メリットとデメリットを理解して利用することが大切
クラウドPBXはビジネスフォンと比較してたくさんのメリットがありますが、同時にデメリットもいくつかあります。利用する際には、デメリットに対する対策法を講じることで、使い勝手が良いビジネスツールとして使えるでしょう。